研究課題/領域番号 |
08640385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
藪 博之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60202371)
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研究分担者 |
久保 謙一 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (50013389)
鈴木 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (20175409)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 散逸過程 / 高エネルギー重イオン衝突 / カイラル対称性 / 非線型模型 / 渦 / スピン偏極 / クォーク模型 / 核子衝突 |
研究概要 |
1. カイラル対称性持つπ中間子の模型を用い、場を真空凝縮とゆらぎ(放射されるπ中間子)に分離し、ゆらぎをCaldeira-Legettの方法により消去することにより、散逸力を含む場の方程式を導出。この場の散逸方程式を解析的数値的に調べ次の結果を得た:1)漸近解を解析に調べ、方程式が実際に散逸方程式であることを示し、散逸係数を代数的に求めた。2)数値的解析により、π中間子放出による散逸効果がDCCに及ぼす効果を議論し、中性DCC状態の安定性を示した。3)散逸を含む場の方程式を荷電DCC状態の崩壊過程に適用。荷電状態は準古典近似では動的状態であることを指摘。パイ中間子放出による崩壊の寿命を計算。電磁場の導入と光子放出によるDCCの崩壊を評価し、小さいことを指摘。4)この方法の他分野の応用として超流動体・スピン系の渦に対する散逸・非散逸力の導出・位相幾何学的解釈を行った。 2. 高エネルギー核子-核子、核子-ハドロン衝突によって生成されるハドロンのスピン偏極を、クォーク組み替えの微視的立場から統一的に記述・理解する理論の定式化を行い、数値的方法で解析した:1)バレンスクォークが存在する場合の実験結果を非常に良く再現できることがわかった。2)バレンスクォークが関与しない場合に初期段階でのクォーク生成を仮定した反応過程を提案した。3)偏極陽子-陽子衝突によるラムダ粒子生成反応の分解能にグルーオンのスピン偏極を通してクォークパートンのスピン偏極が現れる可能性を指摘した。 3. エネルギー散逸機構を集団自由度のエネルギーが背景自由度に流れることによって理解するために、模型的研究をおこなった。 4. 平成11年2月16日、都立大で小ワークショップ「量子多体系の動的散逸過程」を開いた。
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