研究概要 |
1. ユニバーサルシーソーモデルの立場に立ってのニュートリノ質量行列模型として,2つのモデルを提案した.1つは,中性フェルミオンNのディラック質量M_Dとマヨラナ質量M_L,M_pが,同じオーダーM_D〜M_L〜M_Rである場合であり,大気ニュートリノ質量行列M_VはM_V〓-m_LM^<-1>_Lm^T_Lで与えられる.大気ニュートリノデータが示す大角度混合は説明できるが,太陽ニュートリノデータのΔm^2の値を出せない[Phys,Rev.D57,1998].そこで,大気・太陽ニュートリノ両データの同時説明のため,N_L,N_Rから軽いステライルニュートリノν^3_iが作られ,これがアクテイブニュートリノν_<iL>混合して疑ディラック状態を作っているというモデルを提案した[Pys,Rev.D59,1999]. 2. ニュートリノセクターのシーソーを特徴づける中間エネルギーのスケールを知る手がかりとして,ユニバーサルシーソーモデルにおけるケージ結合定数と湯川結合定数のエネルギースケールに対する変化(エボリューション)を調べた[Phys,Rev.D58,1998;hep-ph/9809548].SU(2)_L×SU(2)_R×U(1)_Y×SU(3)_Cの統一模型として,パチ・サラム型の統一なら可能性があることを発見する. 3. 質量行列研究者にとって役立つことを目的に,クォーク質量値の系統的な再計算を行った[Phys,Rev.D57,1998].
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