研究概要 |
中性子ハロ-核^<11>Liからのガモフ・テラー型β遷移の研究を行った。遷移におけるハロ-の効果及びsd殻とp殻の一粒子エネルギーのギャップの減少の効果を調べた。最近の新しい実験との比較から,^<11>Liの2中性子ハロ-状態のp殻の割合が,約50%(45〜55%)であることが導き出される。また,ガモフ・テラー共鳴状態の山が^<11>Beの励起エネルギーE_x=16MeV付近にでき,遷移強度和則の約2/3がアナログ状態のエネルギー以下に存在することが期待される。これらのことは,近傍の軽い核では見られない^<11>Li核にユニークな特徴である。 ^<11>Beからのガモフ・テラー型のミューオン捕獲反応における^<11>Beのハロ-の効果を調べた。全反応率はハロ-の効果で減少するが,2つの超微細状態からの反応率の比は大きな影響は受けなかった。また,軸性ベクトルカレントの擬スカラー型結合定数の決定への影響を調べた。 ^<90>Nb,^<208>Pbのガモフ・テラー状態の分散を調べ,2p-2h状態との結合が強度の分散と減少に重要な役割を果たしていることを再確認し,実験の強度も良く説明できることを示した。 原子核のアナログ状態とガモフ・テラー状態間のM1遷移の和則が,親核でのM1和則に比べて著しく増大し得ることを指摘し,その詳細なメカニズムを明らかにした。また,ガモフ・テラー状態とスピン双極子状態間のE1遷移の和則の構造を調べている。一方,アナログ状態の分散巾とアイソスピン混合の関係を明らかにし,巾のアイソスピン依存性について新しい式を導き出した。
|