研究課題/領域番号 |
08640401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 七尾短期大学 |
研究代表者 |
松原 克己 七尾短期大学, 経営情報学科, 教授 (10209603)
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研究分担者 |
山岸 芳夫 七尾短期大学, 経営情報学科, 講師 (60290087)
鈴木 恒雄 金沢大学, 理学部, 教授 (60019502)
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キーワード | 閉じ込め / モノポール / クォーク / QCD |
研究概要 |
研究計画に沿って、主としてモンテ・カルロ・シミュレーションでQCDにおけるクォーク閉じ込めの機構の研究をすすめてきた。我々は、アーベリアン射影をすると生じる磁極子(モノポール)が凝縮をおこしてカラー電荷粒子(クォーク、グルオン)を閉じ込めるという考えで研究している。 今年度の実績は以下のようである。 (1)SU(3)pure gaue theryの1つのmonopole currentに対するeffective actionを求めた。monopole loopの単位長さあたりのentropy 1n 7と比較することにより、monopole凝縮が示された。 (2)pure SU(2)QCDに対してmonopole actionのcouplingをこれまでに得られていたよりも、より低いエネルギー領域まで正確に調べた。その結果、低エネルギー領域において得られたactionは、ほぼfixed length abelian Higgs modelに対応したmonopole current actionになることがわかった。また、このactionがVillain like modelやstring modelに変形できることを利用して、解析的な計算によりstring tensionを求めたところ、物理的なstring tensionとconsistentであることが示された。 (3)有限温度のpure SU(2)QCDにおいて、monopole actionに基づいて有限温度相転移のorder paramentを調べた。その結果、空間サイズが無限大の極限でこのoperatorがorder parameterになることを支持する結果が得られた。 (4)有限温度のpure SU(2)QCDにおいて、Polyakov loopを用いて相転移の臨界指数を求めた。 abelian成分のみで定義したPolyakov loopと、monopole (Dirac string)で書かれたPolyakov loopは、ともにSU(2)Polyakov loopから求めたものと同じ臨界指数を与えることがわかった。 これらの結果は、Lattice'96の国際会議で分担者の鈴木達によって発表された。
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