GaAs(001)面基板を用いて、種々の金属、半導体の被覆率を変化させている過程でInAs成長の際、量子ドットが自発的に形成される過程が走査トンネル顕微鏡(STM)で顕著に見られ、最初にこのプロセスを観察することから着手した。分子線エピタキシ-(MBE)装置はSTMとバブルを介して結合しており、MBEで作成した試料は大気に曝することなく、STM観察可能となっている。1.4MLのInAsをGaAs(001)上に成長させたとき、表面はInAs(2x4)構造で2次元成長するが、1.6MLInAsを成長させた所、平均高さ45Å、[110]方向の長さ190Å、[-110]方向の長さ250Åのドットが形成された。即ち1.4MLから1.6MLの間に2次元から3次元成長に変わる臨界膜厚があった。量子ドットサイズの[110]及び[-110]方向の大きさの被覆率依存性は1.6から2.4MLまでは殆ど変わらないのに対し、高さは徐々に増大した。観察した量子ドットのファセット面方位を統計的に調べると(114)面と(113)面に集中する傾向が明瞭に存在した。
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