スピン1/2の反強磁性XXZ模型は1次元で磁化曲線はとびがないが2次元以上ではスピンフロップが起こり一次相移転を起こす。この様子をモンテカルロ法を使って詳細に調べた。 強磁性ハイゼンベルグ模型の低温での磁化曲線はm【similar or equal】f(H/T^2)というスケーリング則に従い、この関数f(g)の具体的計算を高次まで行なった。 2/3g-(44)/(135)g^3+(752)/(2835)g^5-(465704)/(1913625)g^7+(356656)/(1515591)g^9-(707126486624)/(3016973334375)g^<11>+(1126858624)/(4736221875)g^<13> この公式はgが小さい場合の式であるが、gが大きい場合の漸近展開も得られた。またスケーリング関数にシステムの長さを導入し、より一般的スケーリング関数を得ることに成功した。 本年度は梯子状の格子での研究が進展した。またダイマー化した系の研究も行った。スピン1/2の一次元磁性体で基底状態が厳密に知られている系にMujumdar-Ghosh模型が知られている。これは2体のスピン相互作用の系で最近接相互作用J_1と第二近接相互作用J_2の比が2:1の場合である。このとき基底状態はダイマー状態と呼ばれる状態である。この基底状態を持つハミルトニアン系はMajumdar-Ghosh模型ばかりでなく、多数存在することをしめした。またスピン1の系ではAKLT模型が厳密な基底状態が求められているが。これは最近接相互作用の系であるが、第二近接相互作用をする系でも同種の基底状態を持つ場合を発見した。
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