I.4f希土類元素15種の内11種について、炭化物としてフラレン内に閉じ込められることを明かにした。電子顕微鏡観察とX線回折よりストイキオメトリーと相の決定をし、熱分析により重量濃度を評価した。結果は、Physica Bに発表した。 II.非磁性のLaC_2、磁性をもつCeC_2、未知の原因により磁性を消失しているGdC_2のそれぞれを内包するフラレンについての電気伝導特性を磁場中(H<15テスラ)、温度(2K<T<280K)で明かにした。零磁場中の低温(T<50K)での電気伝導が二次元ホッピング機構で理解できることが分かった。低磁場中の磁気抵抗について、磁場ならびに温度依存性が量子干渉効果の現われとして理解できた。結果は、Appied Physics Lettersに発表した。また、第52回日本物理学会年会(名城大学)で口頭発表した。 III.フラレンに内包されたことによる磁性の消失は、Gdをはじめとして、いわゆる重希土類元素すべてに共通することが明かとなった。これについて、結晶サイズ効果の観点から解明を進めている。結晶サイズ分布の希ガス種ならびに圧力依存性を明かにした。結果は、第52回日本物理学会年会(名城大学)で口頭発表した。この結果に基づき、より大きな結晶サイズの生成と帯磁率測定を計画している。
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