研究概要 |
1.ErFe_2O_4およびLuFe_2O_4で室温以上に新たな低周波誘電分散を見いだした.これを三角格子上のFe^<2+>,Fe^<3+>の短距離秩序配列とそれに伴う局所分極のゆらぎと関連する可能性を指摘した. 2.酸化度の異なるLuFe_2O_4多結晶試料を作成し,100K-600K,100Hz-5MHzの範囲で誘電率を測定した.その結果,すでにErFe_2O_4で見いだしたものと類似の誘電緩和の機構が存在することを確認した. 3.X線の異常分散を利用するLuFe_2O_4の回折実験,およびLuFe_2O_4の中性子回折によって,Fe^<2+>とFe^<3+>の秩序配列についてのわれわれの模型を支持する結果を得た. 以上の結果は日本物理学会年会等で講演発表した.また,その一部分をまとめた論文が印刷中である.これらとあわせて,明年度以降の研究の準備を行った. 4.この研究の主な手段である直流バイアス電場中での誘電率,および直流電気伝導の測定のために,制御された雰囲気下で,300Kから600Kまで電気伝導率または誘電率を測定できる装置を整備中である. 酸化度の異なるHoFe_2O_4の多結晶試料の作成法を実験的に検討した.
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