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1997 年度 実績報告書

新しい電子構造の定量的計算手法

研究課題

研究課題/領域番号 08640478
研究機関東京工業大学

研究代表者

斎藤 晋  東京工業大学, 理学部, 助教授 (00262254)

キーワードタイトバインディング法 / フラーレン / C60
研究概要

炭素系物質は、近年、各種フラーレンおよびその固体相、ナノチューブ相など、無限ともいえる様々なネットワーク構造を取り得ることが明らかにされ、新物質・新素材として、さらには、新しい物性の舞台として、非常に注目が集まっている。これら多様な、しかも、単位胞の大きな系を系統的に研究する現実的手法として、定量的タイトバインディング法が、再び注目されている。本プロジェクトでは、フラーレンがイオン化するときのクーロン反発と、イオン結晶としての長距離静電相互作用とを加えることにより、アルカリドープフラーレン固体系に用いることのできるタイトバインディング法の開発を行なってきている。今年度は、同手法のK_1C_<60>ポリマー相への適用を行ない、電荷密度波状態(CDW状態)の安定度の研究を展開した。さらに、長距離静電相互作用のより精密な計算により、アルカリイオンのオフセンター位置への変位が、CDW状態のさらなる安定化をもたらす可能性が高いことを発見した。他方、タイトバインディング法による計算にスピン分極の自由度を持たせることにより、スピン密度波状態を議論できるモデルへの拡張可能性を探求した。これは、今後の重要な発展方向となると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Saito: "Design of Fullerene-Based Solids and Fullerides" Recent Advances in the Chemistry and Physics of Fullerenes and Related Materials. Vol.4. 1055-1062 (1997)

  • [文献書誌] S.Saito: "Carbon Nanotubes for Next-Generation Electronics Devices" Science. 278. 77-78 (1997)

  • [文献書誌] S.Saito: "Tight-Binding Formalism for Ionic Fullerides and its Application to Alkali-C_<60> Polymers" Tight-Binding Approach to Computational Materials Science. (予定).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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