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1997 年度 実績報告書

量子スピン系の選択的磁気希釈に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640491
研究機関九州大学

研究代表者

井戸垣 俊弘  九州大学, 工学部, 助教授 (40038013)

研究分担者 田中 彰則  九州大学, 工学部, 助手 (80274512)
河江 達也  九州大学, 工学部, 助手 (30253503)
キーワード磁気希釈 / 量子スピン / 有効場理論 / 臨界濃度 / キュリー温度 / 双2次交換相互作用 / ハイゼンベルグモデル / イジングモデル
研究概要

1.相関等式の方法によるS=1希釈量子スピン系の研究
一般化されたVan der Waerden演算子による展開を通してスピンのkinematical relationが正しく取り込める2体近似の新しい有効場理論(NEFT:相関等式の方法)を、双2次交換相互作用J′と1イオン異方性項Dを含むスピンS=1の希釈量子スピン系へ拡張した。その結果、転移温度T_cのJ′依存性にみられる異方的イジングから等方的ハイゼンベルグへのクロスオーバーが半定量的に正しく記述出来ることを示すとともに、Dのある値の範囲で磁性イオンの臨界濃度近傍に出現するspuriousなリエントラント現象について議論した。
また、この相関等式の方法とは別に、偶数サイトの有限格子に対して、D=0、J′>J>0の領域での基底一重項状態の存在を厳密に示すことに成功した。
2.フェリ磁性体の選択的磁気希釈に関する研究
フェリ磁性体を構成する各副格子上のスピンがが選択的に磁気希釈されることによって、補償点(各副格子の磁化がお互いに打ち消し合う結果として全休の磁化が消失する温度)の出現条件がどのような変化を受けるのかを、分子場近似・小口近似・相関等式の方法等を使って調べると共に、複数の補償点の存在の可能性を追求した。その結果、ある特定のスピン量子数や希釈条件のもとでは、従来のネ-ル理論には無い新しいタイプの磁化一温度曲線が出現するものの、分子場と小口近似の範囲では複数の補償点の存在は確認出来なかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Idogaki,Y.Miyoshi,J.W.Tucker: "An effective field theory for dilute anisotropic Heisenberg ferromagnets" Jour.Magn.Magn.Mater.Vol.154 No.2. 221-230 (1996)

  • [文献書誌] 三好雄司,井戸垣俊弘,J.W.Tucker: "異方的ハイゼンベルグ強磁性体の磁気希釈に関する研究I" 九州大学 工学集報. 第69巻 第1号. 1-8 (1996)

  • [文献書誌] 田中彰則,三好雄司,井戸垣俊弘: "異方的ハイゼンベルグ強磁性体の磁気希釈に関する研究II" 九州大学 工学集報. 第69巻 第6号. 733-740 (1996)

  • [文献書誌] A.Tanaka,T.Idogaki: "Singlet ground state of the bilinear-biquadratic exchange Hamiltonian" Phys.Rev.B. Vol.56 No.17. 10774-10777 (1997)

  • [文献書誌] T.Idogaki,A.Tanaka,J.W.Tucker: "Bilineae-biquadratic quantum exchange model with single-ion uniaxial anisotropy" Jour.Magn.Magn.Mater.(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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