研究概要 |
有限格子法によるスピン系のうち低温展開の方法について,2次元Potts模型のうち1次相転移を示すQ≧5の系のうちQ=5-50の全てについてfree energy,internal energy specific hert,magnetization,susceptibilityの低温展開を、低温展開のパラメータの41次まで計算した。得られた低温展開級数をinhomogeneous differential approximationを用いて解析した結果、臨界点での厳密解が知られているfree energy,latent heat,magnetization gapについてはその厳密解と高い精度で一致する結果が得られた。また、厳密解が知られていないspecific hertとsusceptibilityについては、臨界点までの予言値を与えた。これらの予言値は、最近の1/Q展開およびモンテカルロ・シミュレーションの予言値と高い精度で一致している。 また、3次元Ising模型の相境界、およびそれを簡単化した模型である2次元Solid-On-Solid(SOS)模型のうちAbsolute value SOS模型とDiscrete Gaussian模型のinterface widthに関する3種類の量の低温展開をそれぞれ展開パラメータの17次,23次,19次まで計算した。得られた級数の解析は現在進行中であるが、初期の結果としてはroughening transition pointの値はモンテカルロくりこみ群の結果とよい一致を示しており、また、各量の臨界指数はくりこみ群の予言と一致している。
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