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1998 年度 実績報告書

有限格子法によるスピン統計系の低温展開・高温展開

研究課題

研究課題/領域番号 08640494
研究機関大阪府立工業高等専門学校

研究代表者

有末 宏明  大阪府立工業高等専門学校, 助教授 (10175987)

キーワード低温展開 / 高温展開 / 有限格子法 / Potts模型 / large-q展開
研究概要

有限格子法によるスピン系の級数展開の方法は対象とする系の相互作用が局所的である限り(言い換えれば,その系がクラスター展開可能である限り),低温展開・高温展開のような温度に関するパラメータだけでなく一般のパラメータに関する展開にも適用可能であることに気付き,具体的に2次元q状態potts模型のlarge-q展開に適用するアルゴリズムを開発した.これを,この系の1次相転移点直上での秩序相および非秩序相でのエネルギー・キュムラントと磁化キュムラントのlarge-q展開に適用した.その結果,2次から6次のエネルギー・キュムラント(2次キュムラントは比熱)について,従来のグラフによる方法では1/√qについて10次までしか得られていなかったものが,この方法により23次にまで拡張できた.また,2次と3次の磁化キュムラント(2次キュムラントは帯磁率)については,従来large-q展開は知られていなかったものを,1/√qについて21次まで求めた.得られた高次級数の解析から,1次相転移点直上でのエネルギー・キュムラントおよび磁化キュムラントの各々について,大規模な数値シミュレーションに比べて数桁高い精度の値を得た.特に,q=5では,系の相関距離が数千格子間隔になるので数値シミュレーションは困難なため行われていないが,本研究でのlarge-q展開の結果,上記の諸量の値を0.1%の精度で求めることができた.また,この高次級数のお陰で,qをq=4の2次相転移点に近づけた際の各キュムラントの漸近的振舞いに関するBhattacharya-Lacaze-Morelの仮説が正しいことを明示することが初めて可能となった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Arisue: "Surface width of the Solid-On-Solid models" Nuclear Physics B(Proc.Suppl.). 63A-C. 649-651 (1998)

  • [文献書誌] H.Arisue: "Large-q expansion of the specific heat for the two-dimensional g-state Potts model" Physical Review E. 59. 186-188 (1999)

  • [文献書誌] H.Arisue: "Large-q expansion of the energy and magnetization cumulants for the two-dimensional g-state Potts model" Nuclear Physics B. (掲載予定).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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