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レーザー冷却によってμK台の極低温Rb原子を生成してその原子波を任意に制御するための基礎研究を行なう事が本研究の目的であったが、本年度は先ず2台の外部共振器型半導体レーザーをRbの飽和吸収線に安定化し、これを用いてガラスセル中のRb原子を磁気光学トラップによって冷却および捕捉することができた。これによって数100μK程度のRb原子が10^6〜10^7個程度得られた。これをさらに偏光冷却によってμK台にまで冷却するため、冷却レーザー光の周波数および強度をコンピューターで任意に制御するための実験系の設計および製作を行ってその準備を行なった。またこのようにして極低温にまで冷却されたRb原子の運動状態を調べるために、さらにもう一台外部共振器型半導体レーザーを準備し、これをプローブ光として用いて冷却原子に照射し、その吸収または位相変化を検出するための準備を行なった。
またプローブ光と極低温原子との相互作用に関する理論的な研究を行い、2つのプローブ光が作る周期的ポテンシャル中の原子の運動状態がプローブ光の強度および位相変化としてリアルタイムに非破壊で観測できることを明らかにした。またこのような原子の運動状態を観測する方法を用いて逆に原子の運動状態を任意に制御する方法を考案し、この理論的な考察を行なった。これらの方法をレーザー冷却過程にある原子の運動の観測および制御に応用するための具体的な実験方法の検討を行なった。
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