研究概要 |
1, 難揮発性惑星起源物質であるSiCを,CとSiとの固相反応でその成長機構を明らかにした. 詳細:SiO薄膜の上にC微粒子を置き,900℃で加熱すると,SiO膜中のSi微結晶から拡散してきたSi原子と反応して,C粒子中にSiCが成長する.C膜とSi粒子の組み合わせでは,C原子がSi粒子の中に拡散し室温で反応してSiCが生成する.隕石中で観察されるSiCが低温で生成したならば,原始太陽系の形成のモデルに大きな影響を与える可能性がある.(日本結晶成長学会誌Vol.25No.3,(1998)A37.,Proceedings of the 31th ISAS Lunar and Planetary Symposium(1998)pp.222-225). 2, 惑星起源物質であるFeを含んだSiO薄膜の構造と赤外吸収スペクトルとの間の関係を明らかにした. 詳細:酸素リッチスターからの赤外吸収スペクトルがSiO微粒子に起因していると考えられている.また,SiOにFeが混入したスペクトルにも注目されている.SiOはアモルファスであるが,処理温度により,クリストバライト構造であったり,石英であったりする.また,Feは金属状態であったり,酸化物となったりする.これらの構造の違いによりそのスペクトルが異なることが分かった.(Proceedings of the 31th ISAS Lunar and Planetary Symposium(1998)pp.226-229,地球惑星科学関連学会1998年合同大会予稿集(1998)p.273) 3, カーボン電極に陽極を設け,種々の電圧でカーボンを蒸発し,C_<60>の生成と電荷の関係を明らかにした.詳細:正負12Vの印加で生成したカーボン粒子は0Vの場合より,帯電が原因で,十分の一ほどになる.-12Vの場合にはC_<60>の収率が90%にもなる.帯電のメカニズムとの関係を明らかにした.(日本物理学会講演概要集 1998年秋の分科会 第2分冊(1998))
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