研究概要 |
平成9年度においては,これまで得られた研究成果の確認のため,より詳細な追実験を試みた.二つのタイプの平坦ラミナの形成過程の条件をできるだけ単純化するため,平成9年の7〜8月にかけて東京大学海洋研究所に設置された水槽タンクを利用して相当数の実験(Run)を集中的に行った.これにより少なくともタンク内の水温はほぼ同一条件のもとで行われたことになる.しかし用いた石英砂は新たに日本原料(株)より大量に購入したものを使用した. これら一連の実験では,以前行われた実験とは異なり,水利学的条件としての数値には若干異なる値が出た.このことについては次のような理由が考えられる.これら追実験においては,水槽タンクの水面勾配について見直しを行った.すなわちタンク底面の勾配に加えて,上流側と下流側との水面の高低差を加味したのである.これを真の勾配として数値計算を行った.そのため掃流力,無次元掃流力において以前とは異なった計算値が得られたのである.このような計算値に基づいて,平坦ラミナの形成過程について現在新たな考察を試みている.また得られた平坦ラミナのサンプルは,合成樹脂によりすでに固化し,薄片作成のための準備段階に入っている.しかしこれら薄片の顕微鏡下のインブリケーションなどの粒子配列の測定については,すでに明らかにされたパターンと同様の結果が得られるものと予想される.
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