研究課題/領域番号 |
08640584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
白石 和行 国立極地研究所, 研究系, 教授 (90132711)
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研究分担者 |
加々美 寛雄 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20108179)
本吉 洋一 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (90211606)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 東南極 / 地球年代学 / ゴンドワナ / ナピア岩体 / 大陸地殻 / TTG / 超高温変成作用 / SHRIMP |
研究概要 |
大陸地殻物質の変成履歴とその年代学的な対応は、大陸地殻の形成・進化を論ずる上で不可欠なテーマであり、東南極エンダービ-ランドはこうした研究に最も適したフィールドといえる.レイナ-岩体とその西方に隣接するリュツオ・ホルム岩体とは、最高変成条件以後の急激な圧力低下ならびにジルコンのSHRIMP年代において、ほぼ同様な変成履歴を辿っていることが明らかになった.また、セルロンダーネ山地では約10億年前の大規模なト-ナル岩の活動があり、岩石化学的特徴はリュツオ・ホルム岩体のトロニエム岩との類似点が多い.これらの成因を検討した結果、トロニエム岩がエクロジャイトに転移した沈み込んだスラブの溶融で、またト-ナライトはザクロ石角閃岩に転移したスラブの溶融で説明できることが明らかになった.いっぽう、ナピア岩体の岩石記載を徹底的に行い、サフィリンや大隈石を含む特異な鉱物共生の解析や多量のフッ素を含む金雲母の発見などから1000℃以上の超高温条件、7〜8kbar程度の圧力条件が確認され、さらに、二段階の圧力(P)-温度(T)経路が推定されることがわかった.その結果、超高温の熱源として高温のプルトンの地殻中部への貫入をひとつの可能性として示した.これまで東南極大陸のナピア岩体、レイナ-岩体、リュツオ・ホルム岩体、セルロンダーネ山地は、それぞれ個別に研究が行われ、相互の関連性については十分な検討がなされてこなかった.本研究では、エンダービ-ランドおよびその周辺地域の地質学的なフレームワークの再検討を行うことが最終的な目的であり、このことは、ゴンドワナ諸大陸との対比、ならびにそれぞれの大陸地殻の形成・進化を論ずる上で、非常に重要な束縛条件になり、最近、国際的に関心を呼んでいる原生代末期(約10億年)の世界的な変動が地球史のうえでどのような意義をもつのかという問題に発展する.
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