研究概要 |
研究計画・方法に述べた案に沿って、今年度実施した事例を以下に記す。 1.アナログシステムとデジタルシステムの長所・短所を検討するのと同時に、鉱物の化学組成データ・光学画像データを得るために、隕石試料および岩石薄片をCCDカメラで撮影した。アナログシステムとしては、スチルビデオカメラで撮影したRGB信号による画像を、スチルビデオフロッピ-レコーダーで録画し、それをアナログデジタル変換して、コンピューターに取り込む方法を試みた。デジタルシステムについては、隕石や鉱物の標本や切断面の画像をデジタルカメラで撮影し、画像取り込み用ソフトウェアを使って直接コンピューターに入力して再現してみた。更に、長年にわたって蓄積されているネガ画像をデジタル画像として保存・利用するため、順次フォトCD化している。 2.上記の方法で収録しつつある画像を加工して、画像データベースとして利用するために、必要なソフトウェアの検討を行った。この1年の間でも、コンピューターを取り巻く環境・画像データを取り扱うソフトウェアの変化および進歩は目覚しものがあり、より使い勝手のいいソフトウェアが紹介されている。そのソフトウェアの普及度や、作業の効率化への可能性、将来のメンテナンスの容易さ等を比較検討しながら、プロトタイプを作成している。 3.走査型電子顕微鏡にエネルギー分散型X線スペクトロメーターを装着したものより得た鉱物組織の反射電子像(BEI)およびX線元素分布図をコンピューターに取り込み、三組の元素(Mg,Fe,Caなど)の組成により色分けしたものを、鉱物組織画像に色付けするソフトウェアの開発に必要なプログラム言語の検討を行った。隕石のエレクトロン・マイクロプローブによる化学組成分析値をデータベース化し、それを図示して利用するためのソフトウェアを開発中である。
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