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1997 年度 実績報告書

スカルンに産するホウ酸塩鉱物の物性と成因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640608
研究機関岡山大学

研究代表者

草地 功  岡山大学, 教育学部, 教授 (10032773)

研究分担者 逸見 千代子  岡山大学, 理学部, 助教授 (80124791)
キーワード布賀 / スカルン / ホウ産塩鉱物 / CaO-B2O3-H2O系鉱物 / takedaite / sibirskite / borcarite / parasibirskite
研究概要

本年度は,布賀に産するスカルンに伴うホウ産塩鉱物の調査での試料の検討と,これらのホウ産塩鉱物の成因について考察した.その結果,新たに日本新産のborcarite,新鉱物のparasibirskiteを見いだし,これらの物性を明らかにすることができた.以下にparasibirskiteの物性とホウ産塩鉱物の成因について示す.
1.Parasibirskiteの物性
Parasibirskiteはsibirskite,froloviteなどと共生して,最大で40μm×20μm×3μmの板柱状結晶の亜平行集合体として産する.肉眼的には白色不透明で,弱い真珠光沢を示す.屈折率はα=1.556(2),β=1.593(2),γ=1.663(2).ビッカース硬度は121kg/mm^2(25g荷重),測定比重は2.50(1),ヘキ開は(010)に完全.X線回折値より求めた格子定数は,a=6.722(4),b=5.437(2),c=3.555(2)Å,β=93.00(5)°,V=129.8(2)Å^3,Z=1.分析値からO=6として計算した実験式はCal.985B1.945O4.901・1.099H2O.TG曲線は400℃付近で脱水による約9%の減量を示し,DTA曲線ではそれに伴う吸熱ピークが371℃,414℃に見られる.赤外吸収スペクトルによると3350cm^<-1>にOHの伸縮に伴う吸収スペクトルが,1420cm^<-1>から305cm^<-1>にかけてホウ酸塩に特徴的な吸収スペクトルが見られる.
2.ホウ産塩鉱物の成因
ホウ産塩鉱物を含む脈の中心部には,無水のtakedaiteが生成している.このtakedaiteの周辺部にsibirskite,parasibirskiteなどの含水ホウ酸塩鉱物が産している.このような産状から,CaO-B2O3-H2O系鉱物の生成は次のように考えられる.
(1)ホウ素を含む流体が母体の結晶質石灰岩と反応して,初生的に無水の鉱物であるtakedaiteが生成した.
(2)その後の熱水溶液による変質によってtakedaiteから含水ホウ産塩鉱物が,二次的に生成された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kusachi,Isao: "Sibirdkite from Fuka,Okayama Prefecture,Japan." Mineralogical Journal. 19・3. 109-114 (1997)

  • [文献書誌] Kusachi,Isao: "Borcarite from Fuka,Okayama Prefecture,Japan." Mineralogical Journal. 19・3. 115-122 (1997)

  • [文献書誌] Kusachi,Isao: "Parasibirskite,a new mineral from Fuka,Okayama Prefecture,Japan.(発表予定)" Mineralogical Magazine.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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