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1998 年度 実績報告書

別子型鉱床の硫黄同位体地球化学

研究課題

研究課題/領域番号 08640610
研究機関岡山大学

研究代表者

山本 雅弘  岡山大学, 理学部, 教授 (60033130)

研究分担者 加瀬 克雄  岡山大学, 理学部, 教授 (30033195)
キーワード別子型鉱床 / 硫黄同位体比 / 工倉鉱山 / 黄鉄鉱 / 黄銅鉱
研究概要

本研究においては,チャートが卓越した累層中に胚胎され,わが国の別子型鉱床としては特異な存在である丹波帯の滋賀県土倉鉱山の鉱石中の黄鉄鉱と黄銅鉱と母岩について硫黄同位体比の測定を行って,以下のことが明らかになった。1.およそ40個の測定試料の同位体比の分布範囲は-0.8〜+5.4パーミルであったが,大部分のものは,+1〜+3パーミルの範囲にあり,三宅・佐々木(1980)の結果とよい一致を示した。この分布範囲は,また,三波川帯の主要な別子型鉱床の分布範囲とよく似ている。2.東部鉱床,中部鉱床,西部鉱床を比較すると,東部鉱床の分布範囲がやや広いが,測定試料の数も東部鉱床がもっとも多く,分布範囲の差が,各鉱床間の生成条件の差を反映しているかどうかは明らかではない。3.黄鉄鉱には自形で粗粒なものや,コロフォルム組織を示すものなどがあるが,硫黄同位体比と硫化鉱物の産状との関係も明らかではなかった。4.共存する黄鉄鉱と黄銅鉱について, 11対のうち,6対において,黄銅鉱の方が黄鉄鉱より重い結果が得られた。これは,両鉱物間には,同位体交換平衡が成立していないことを示す。ほとんどの他の別子型鉱床においては,同位体平衡を示唆する結果(黄鉄鉱が黄銅鉱より重い)が得られており,本鉱床の結果は,鉱床が形成後,再編成されたものであることを示唆する。5.母岩のシルト岩,砂岩および玄武岩質岩の硫黄同位体比の測定を行って,-49.3〜-2.6パーミルの値を得た。変動幅が大きく,また,非常に軽いこれらの値は,硫酸還元バクテリアが関与したことを示唆するが,玄武岩質岩の同位体比も,同様に非常に軽い値をもつことは,海嶺玄武岩の硫黄同位体比が,+1パーミル前後であることを考えると,特異である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山本雅弘: "Sulfur isotope ratios of sulfide minerals from the deposit at the Tsuchikura mine,Shiga Prefecture,Japan" 岡山大学地球科学研究報告. S・1(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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