研究概要 |
蛍光測定用真空槽はこれまでスパッタイオンポンプ(日本真空PST-4AM)で排気していたがポンプが劣化したため到達真空度が10^<-9>Torrから10^<-8>Torr台へと悪化してしまった。そこで従来のPST-4AMに比べて約3倍の排気速度を持つスパッタイオンポンプ(日本真空PST-8CM)を購入して真空度の向上をはかった。その結果、約200℃,10時間のベ-クで10^<-10>Torr台に入ることが確認できた。 クリセン等有機物の蒸着膜の膜厚は水晶振動子膜厚計によりモニターした。クリセンは蒸気圧が低いため室温でも容易に20Åの薄膜を作ることができた。この時膜厚は数Åの精度で制御することができた。 蛍光強度の角度分布測定用ターンテーブルおよび偏光子部分の調整を行った。偏光子の回転は電磁石を使ってコンピュータ制御で行うことができるようにした。また,フォトンカウンターとコンピュータとを接続し、データ転送・処理がスムーズに行われるようにした。処理プログラムは正常に動作することは確認ずみである。 以上,平成8年度に実施を計画していた装置の改良・調整はほぼ予定どおり終了した。平成9年度から本格的な測定に入いる。
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