(1)高温・高圧in situラマンセルを製作した。90°および180°散乱の両測定に対応できる。 ダイヤモンド窓を用いて、測定温度域は25〜500℃、圧力域は0.1〜200MPaが達成できた。 温度は±1℃以内で制御できた。また、セルは超臨界水反応場を維持しながら、反応液を注入することができる。 (2)既設のFTラマン分光計により、常温・100MPaまでの硝酸リチウム硝酸カルシウム、硝酸アンモニウム各水溶液のラマンスペクトルを測定した。硝酸イオンのν_4バンド(740cm^<-1>)の解析から、硝酸リチウム水溶液では4.7mol/dm^3以上で、硝酸カルシウム水溶液では3.6mol/dm^3以上でイオン対が生成することを明らかにした。硝酸アンモニウム水溶液中では飽和水溶液においてもイオン対は生成していない。 (3)300℃および400℃において、それぞれ50〜200MPaの亜臨界および超臨界水の構造をX線回折により明らかにした。その結果、亜臨界域では圧力の増加とともに水素結合が壊れて行くが、超臨界域では圧力が増加すると水素結合が生成することを明らかにした。 (4)0.1〜260MPa、25〜253℃において、密度一定、圧力一定、温度一定の各条件にてメタノールの構造をX線回折法により調べた。圧力と温度が上昇すると、メタノールの水素結合が壊れていくが、中距離・遠距離の構造は常温とあまり変わらず、超臨界水の構造と対照的である。
|