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1996 年度 実績報告書

固体表面吸着分子の多光子励起反応

研究課題

研究課題/領域番号 08640658
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

松本 吉泰  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (70181790)

キーワード多光子過程 / 光化学 / 光電子分光 / 白金 / メタン / 一酸化炭素
研究概要

金属表面では吸着種の励起状態の迅速な脱励起が起きるにもかかわらず、光脱離、光解離などを含む多彩な光反応が誘起される。本研究では、表面光化学における直接励起の役割の理解を進めるために、多光子光電子分光法により金属表面やこれに吸着した分子の量子状態を研究し、多光子励起の可能性について検討を行なった。そこで、表面および吸着種の非占有電子状態の情報を得るためにPt(111)を主な対象にして多光子光電子分光を行なった。まず、この清浄表面においては、s,pバンドギャップ内に存在する表面状態から鏡像準位(n=1)への共鳴遷移が5.4eVで起きることを明らかにした。また、150fsのレーザー光源を用いることにより、3光子過程に基づく光電子スペクトルを観測することができた。この事から、フェルミ準位あるいは真空準位を基準としてそれぞれの表面に局在化した電子状態のエネルギー位置を決定することができた。吸着系としては手始めにCO/Pt(111)系について2光子光電子分光を行なった。その結果、COの励起状態に基づくと思われる光電子スペクトルを得ることができ、偏光依存性などから、2π^*からの光電子であることを確認することができた。現在、COの被覆率依存性について詳細な実験を継続している。Pt(111)上のメタンの光化学については、400nm付近のサブピコ秒のレーザーパルスを照射することにより、2光子過程による反応が起きるかどうかを調べた。今のところ、200nm付近のナノ秒レーザーで起きているような光解離・脱離が起きているという明白な実験結果は得られていない。これは、2光子過程の遷移確率が1光子過程に比べて3桁以上小さいことを示唆している。この点を確認するために更に先端出力の大きなサブピコ秒レーザーパルスを用いて実験を行なうことを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Matsumoto: "Laser-induced photochemistry of methane on Pt(111)" J.Chem.Phys.105. 4775-4788 (1996)

  • [文献書誌] I.Kinoshita: "Surface and image-potential states on Pt(111) probed by two-and three-photon photoemission" Chem.Phys.Lett.229. 445-450 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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