研究課題/領域番号 |
08640672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
幸本 重男 千葉大学, 工学部, 助教授 (90195686)
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研究分担者 |
山本 忠 千葉大学, 工学部, 教授 (50039294)
山田 和俊 千葉大学, 工学部, 教授 (60009230)
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キーワード | 分子認識 / コール酸 / シクロファン / コーラファン / エナンチオ選択性 / 分子性結晶 |
研究概要 |
コール酸分子を架橋部位とし、また芳香族化合物を蓋およ底部とすることにより単環性および2環性のコーラファンを合成しその分子認識能を検討した。 1.単環性および2環性コーラファンの合成 合成は2段階により行った。コール酸メチルエステル2分子または3分子を3位の水酸基とテレフタル酸クロリドまたはトリメジン酸クロリドと反応させる事によりジポダントまたはトリポダントを合成した。端末エステル期を選択的に還元した後、再び酸クロリドによりエステル化し閉環させコーラファンを合成した。 2.溶液中におけるコーラファンによる分子認識 合成したコーラファンをもちいて種々の有機分子の分子認識を試みた。糖、アミノ酸誘導体を結合定数10^2-10^3(M^<-1>)のオーダーで取り込むことに成功した。アミノ酸誘導体では中程度のエナンチオ選択性を見いだした。特記すべき点は、ヌクレオシドのうち、チミジンを選択的に、10^4(M^<-1>)のオーダーの結合定数で取り込んだことである。コーラファンの空孔サイズの影響も検討した。 3.π-π相互作用を利用したコール酸誘導体の固相での分子認識 コール酸3位または24位をアントラセン骨格のような芳香環を持つエステル基に換え、π-π相互作用を利用したネットワーク構造を構築し有機分子の取り込みを検討した。現在単結晶X線回折による構造解析が進行中である。
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