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1996 年度 実績報告書

トロピリウムイオンの求電子性を利用した親規縮環π電子系化合物の合成

研究課題

研究課題/領域番号 08640685
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

山村 公明  神戸大学, 理学部, 教授 (60031358)

キーワードトロピリウムイオン / ベンズ〔a〕アズレン / フラン環の解裂 / 縮環π電子系化合物 / ベンズ〔g〕クリセン / α、β-不飽和カルボニル化合物 / 縮合ヘテロ芳香族化合物 / 縮環π電子系カチオン
研究概要

非ベンゼン系縮環共役化合物は、その特異なπ電子系ゆえ興味深い性質を示すが、そのうちでも7員環化合物は特に興味深く、巾広く研究されている。しかし不飽和共役7員環の形成が困難で、ほとんどは長いルートを経て合成している。不飽和共役7員環として市販のシクロヘプタトリエンを用い、分子内求電子置換反応を利用するという簡単な方法で、トロピリウムイオンを含む縮環系π電子系化合物、芳香族縮環アズレンのα、β-不飽和カルボニル化合物等を合成した。
1 まずシクロヘプタトリエンを出発物質としてo-ブロモシクロヘプタトリエニルベンゼンを合成し、これを5-位にさまざまな置換基を有するフラン誘導体の2位でクロスカップリングさせ、ついで室温でトリチル塩を作用させるだけで、ベンズ[a]アズレンのα、β-不飽和カルボニル化合物が極めて簡単に得られることを見いだした。途中に生成するトロピリウムイオンによるフラン環の解裂を含む機構を提出している。ベンズ[a]アズレンは、構造有機化学的に、材料化学的に興味深い化合物であり、種々の合成法が報告されているが、トロピリウムイオンによるフラン環の解裂を利用したのは初めてのケースである。現在この反応の一般性と限界について検討している。さらにアズレンにヘテロ芳香族が縮環した化合物のα、β-不飽和カルボニル体の合成についても検討を行っており、いくつかの化合物群について成功している。
2 以前にトロピリウムイオンの分子内求電子置換反応を利用して、チオフェン環とトロピリウムイオンを含む4環性のトリフェニレン等電子的カチオンの合成を報告したが、これを発展させることによりフラン環あるいはチオフェン環とトロピリウム環とを同時に含む5環性のベンゾクリセン等電子的カチオンの合成に成功した。さらにヘテロ芳香族を2つ含む系、トロピリウムイオンを2つ含むジカチオンについても検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kimiaki Yamamura: "A Novel Synthesis of β-(10-Benz[a]azulenyl)-α,β-unsaturated Ketones by Intramolecular Cyclization of o-[2-Furyl]cycloheptatrienylbenzenes" Tetrahedron Letters. 37(28). 4965-4966 (1996)

  • [文献書誌] Kimiaki Yamamura: "Novel pentacyclic π-conjugated cations containing both heteroaromatic units and a tropylium ion. 2." Heterocycles. 45(3). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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