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1996 年度 実績報告書

複数のイオン選択性をもつイオノフォーの開発と、その構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640688
研究機関広島大学

研究代表者

笛吹 修治  広島大学, 理学部, 助教授 (20160252)

キーワードイオノフォー / イオン輸送 / 水素イオン濃度勾配 / イオン選択性 / カリクサレン / カリックスクラウン / イプソニトロ化
研究概要

水素イオンの濃度勾配を利用した異種金属イオンの能動輸送系を実現するために、水素イオン濃度によりイオン選択性の異なるイオノフォーの開発を行った。基本骨格にはフェノール環を有するカリックス[4]アレンを利用し、酸性側での金属認識部位として、その二つの水酸基に-CH_2CO_2Et基をもつエステル体(1)、メトキシエトキシエチル基をもつエーテル体(2)、およびテトラエチレングリコールで架橋したクラウン体(3)を合成した。さらに水酸基の酸性度を高めるために、残るフェノール環のパラ位をイプソニトロ化して、1と2のジニトロ体4、5と3のモノニトロ体を6合成した。まず、酸性側でのイオン選択性を調べるために化合物4〜6を用いて、Na^+とK^+の液-液抽出を行ったところ、エステル体4はわずかなNa^+選択性、クラウン体6はK^+選択性、エーテル体5は抽出能をもたないことがわかった。そこで次に、イオン抽出能をもつ3, 4, 6について酸性側と塩基性側でのイオン輸送能を調べた。その結果、酸性側ではエステル体4はほとんどイオンを輸送しなかったが、クラウン体3, 6はK^+選択性を示し、その選択性はニトロ体6の方が高いことがわかった。一方、塩基性側ではエステル体4とクラウン体3はわずかなNa^+選択性、3のニトロ体6はK^+選択性を示した。以上の結果よりクラウン体3が水素イオン濃度によりイオン選択性の異なるイオノフォーとなる可能性が示された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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