研究概要 |
1.P.Sを配位原子とするSPPS型直鎖状四座配位子である5,8-ジフェニル-2,11-ジチア-5,8-ジホスファドデカンと5,9-ジフェニル-2,12-ジチア-5,9-ジホスファトリデカン及びそれらの配位子を含むコバルト(III)錯体を新たに合成した.錯体の構造はX線結晶解析,H・NMR及び電子スペクトルの解析から決定し,P原子の絶対配置と錯体の幾何構造との関連及びP原子が大きなトランス影響を示すことが明らかになった.また,PSSP型直鎖状四座配位子である2,12-ジメチル-5,9-ジチア-2,12-ジホスファデカンとそのコバルト(III)錯体を新たに合成し,X線結晶解析,電子スペクトルの解析によって錯体の構造を明らかにした.これらの錯体では一種類の幾何異性体しか生成せず,上記SPPS型配位子の場合とは異なることが明らかになった. 2.P.Sを配位子とする二座配位子Me_2PCH_2CH_2SRとそれらのコバルト(III)及びルテニウム(II)錯体を新たに合成し,X線結晶解析及び電子スペクトルの解析によって構造を明らかにした.これらの配位子はコバルト(III)錯体では,P原子のみで配位する単座配位子として働くことも明らかになった.錯体の酸化還元電位を測定し,電気化学的安定性を比較した.
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