研究概要 |
1.無水マレイン酸部位を含むポリマーシランカップリング剤による表面修飾 交互重合体のポリ(無水マレイン-スチレン)シランカップリング剤と粒子の揃ったシリカコロイド粒子の1,2-ジメトキシエタン中での反応によって、単分散な複合シリカ粒子の調製法を確立した。この方法によって、10nm〜1μmの粒径のシリカの表面をこのコポリマーで修飾することが可能であった。また、これとは別に表面水酸基の少ない粒子の表面修飾のために、界面活性型ビニルモノマーの表面での自発重合による表面修飾法も確立した(第45回高分子討論会にて発表)。 2.二次ポリマー結合による表面極性およびゼータ電位の制御 上記複合粒子へアミノ末端基をもつポリメタクリル酸エステルなどを結合し、その二次ポリマー鎖の表面極性への影響について調べたところ、その極性は二次ポリマーの鎖長などによって制御可能であることが判明した。また、高分子電解質(ホスホニウムおよびビオロゲンオリゴマー)二次ポリマーを結合すると、負から正にわたるゼータ電位をもつ複合粒子を調製することが可能になった(第46回高分子年会にて発表予定)。 3.二次ポリマー錯体の結合とゼータ電位の制御 2,2′-ビピリジル(Bpy)を側鎖にもつポリ(N-アルキルアクリルアミド)を単分散シリカコロイド粒子表面へ結合によって、Fe^<2+>,Co^<2+>,Zn^<2+>-Bpy錯体を表面にもつ単分散複合粒子を調製することができた。特にFe^<2+>-Bpyポリ(N-イソプロピルアルクルアミド)SiO_2粒子は、水溶液中昇温による凝集現象が観測された(第45回高分子討論会にて発表)。15-クラウン-5を側鎖にもつポリマー鎖を結合し、次いで1価、2価および3価の金属イオンを配位させるた粒子のゼータ電位は、イオン径および価数とともに絶対値がゼロに近ずく現象が観測された(第46回高分子年会にて発表予定)。
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