研究課題/領域番号 |
08640781
|
研究機関 | (財)山形県テクノポリス財団(生物ラジカル研究所) |
研究代表者 |
吉村 哲彦 (財)山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 化学第一研究部, 部長 (70271517)
|
研究分担者 |
藤井 敏司 (財)山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 化学第一研究部, 研究員 (80271518)
|
キーワード | 一酸化窒素 / 生体内一酸化窒素 / トラップ / 鉄錯体 / 電子スピン共鳴 / ジチオカルバメート / ジチオカルボキシサルコシン |
研究概要 |
生体内で産生される一酸化窒素(NO)は、血液循環系、中枢神経系、免疫系に於いて多彩な生理作用を発揮している。生体内でのNOの挙動を理解するためには、in vivoの濃度及び分布を知る必要がある。 NOは、1個の不対電子を有する無機ラジカルであり、電子スピン共鳴(ESR)装置を用いるスピントラップ法の適用が可能である。このような観点から、NOと結合して安定なラジカルを生成するスピントラップ試薬の開発が望まれてきた。NOは金属(特に鉄)に対して高い親和性をもっているので、鉄錯体はNOトラップ試薬として有望である。 本研究では、水溶性で、安定なNOT錯体を生成するジチオカルボキシサルコシン(ジチオカ-バメート誘導体)鉄錯体を合成し、in vitroおよびin vivoの系でNOのトラップ試薬として適用した。 初年度は、本NOトラップ試薬の性能を調べる研究を実施するとともに、培養細胞(血管内皮細胞)由来のNOの検出と生きているマウスの腹部でのNOの検出と画像化に本NOトラップ試薬を適用し、成功を収めることが出来た。 今年度の成果は以下の通りである。 1.ラットの脳に細菌性髄膜炎を惹起して、脳内に産生されたNOをin vivoで測定することに成功した。細菌性髄膜炎に対するNOの関与を直接証明することができた。 2.血管拡張薬の一つである硝酸イソソルビド(ISDN)を投与したマウスの腹部で、ISDN由来のNOを検出し画像化した。肝臓と腎臓の明瞭な画像が得られた。
|