研究課題/領域番号 |
08640836
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
小池 裕幸 姫路工業大学, 理学部・生命科学科, 助教授 (60201480)
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研究分担者 |
菓子野 康浩 姫路工業大学, 理学部・生命科学科, 助手 (20221872)
佐藤 和彦 姫路工業大学, 理学部・生命科学科, 教授 (00090522)
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キーワード | 欠失突然変異 / コア複合体 / 光化学系II / 酸素発生 / psbX / 葉緑体 / ラン色細菌 / シネコシスティス |
研究概要 |
光化学系II複合体を構成するタンパク質のうち、4.1kDaタンパク質(PsbX)はラン色細菌から高等植物にまで広く見出されている。このタンパク質は酸素発生を行う最少単位であるコア複合体中には存在するが、これをさらに解体すると酸素発生能の消失と共に複合体から外れてしまう。このことからPsbXは酸素発生能と密接な関係があると考えられている。また他の膜内在性タンパク質は葉緑体支配であるが、このタンパク質だけは例外的に核支配となっている。そういった意味でもこのタンパク質は非常に興味深いものである。 本研究はこのタンパク質の機能を分子遺伝学的手法を用いて調べるため、形質転換可能でかつその全塩基配列が決定されているラン色細菌Synechocystis sp. PCC 6803を用いて突然変異体を作製することを試みた。 まずS. 6803の塩基配列を参考に遺伝子psbXを含みApaIサイトで挟まれた767 bpの部分をゲノムDNAよりPCR法によって増幅し、これをpBluescriptのApaIサイトに挿入して大腸菌に導入した。遺伝子psbXはその読み枠のすぐ上流にHincIIサイトがあるが、その下流には適当な制限酵素部位がなかった。しかしこの読みの枠のすぐ下流に1塩基置換でXmaIサイトに変わる部位が見つかったので、この部位にXmaIサイトを導入して切り出し、欠失変異体を作製することにした。そこでXmaIサイトに変異させたプライマーを3′、5′の両方向で作製し、変異を含む各々550ならびに220 bpの断片を別々にPCRで合成した。次に精製したこの二つの断片を混合して、両端を含むプライマーを用いて増幅することにより、変異が導入されたDNA断片を得た。これをpBluescriptのApaIサイトに挿入し、大腸菌に導入した。 今後は、このXmaIサイト以外に変異がないことを確認した後、psbXを切り出してカナマイシンカセットと入れ替え、相同組替えにより欠失突然変異体を作製するつもりである。
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