平成9年度の研究計画である球海綿体脊髄核(SNB)の運動ニューロンのアンドロゲン受容体の発現調節の解析に関し、次の結果が得られた。 1.ラットのアンドロゲン受容体(AR)に対するポリクローナル抗体(PG21、イリノイ大学プリンス博士提供)を用いて、若齢(2ケ月齢)および老齢(19〜20ケ月齢)雄ラットのSNB運動ニューロンを免疫組織化学的に検索した。 2.若齢雄ラットのSNB運動ニューロンの核は強いAR免疫反応性を示した。しかし、老齢ラットの核の免疫反応性は著しく減弱し、その数も減少した。 3.老齢ラットの血中アンドロゲン量は若齢ラットのそれに比べて著しく低下していた。 4.これらの結果は、アンドロゲンがSNB運動ニューロンのARの発現を調節していることを示唆している。
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