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平成8〜9年度の研究計画である球海綿体脊髄液(SNB)の運動ニューロンのアンドロゲン受容体の免疫組織化学的同定とその発現調節の解析に関し、次の結果が得られた。
1.ラットのアンドロゲン受容体(AR)に対するポリクローナル抗体(PG21、イリノイ大学プリンス博士提供)を用いて、SNB運動ニューロンを免疫組織化学的に検索した。
2.正常雄ラットのSNB運動ニューロンの核は強いAR免疫反応性を示した。しかし、その免疫反応性は去勢後1日で著しく減弱し、去勢後5日で完全に消失した。
3.去勢後5日の雄ラットにテストステロンプロピオネートを皮下注射して20分、1時間後では核の免疫反応性は弱く、その数も少なかったが、2、6時間後の核の免疫反応性とその数は正常雄のそれらと同じレベルになった。
4.血中アンドロゲン量の低い老齢雄ラットのSNB運動ニューロンの核の免疫反応性とその数は若齢ラットのそれらより著しく低下していた。
5.これらの結果は、アンドロゲンがSNB運動ニューロンのARの発現を調節していることを示唆している。
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