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1997 年度 実績報告書

ザリガニ局所回路神経間の抑制性シナプス伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08640856
研究機関北海道大学

研究代表者

長山 俊樹  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80218031)

キーワード神経行動学 / 局所回路 / アメリカザリガニ / 中枢神経系 / 伝達物質 / 抑制性シナプス / GABA / ノンスパイキング介在ニューロン
研究概要

本研究はアメリカザリガニ尾扇肢運動を制御する局所回路神経間の抑制性シナプス伝達機構を細胞レベルで明らかにすることを目的に、第2年度は前運動性の片側型ノンスパイキング介在ニューロンと尾扇肢運動ニューロン間の抑制性シナプスの化学的プロセスについて、(1)ノンスパイキング介在ニューロンがGABA作動性であるのか、(2)GABA中枢内微量投与に対する尾扇肢運動ニューロンの応答とノンスパイキング介在ニューロンによって引き起こされる抑制性応答の比較といった観点から、生理・薬理・神経化学的に解析した。
(1)片側型のノンスパイキング介在ニューロンはその基本的形態から大きくPL,ALという2つのグループに分けられる。これらノンスパイキング介在ニューロンに細胞内染色を施し、その標本をGABA抗体を用いて同時ラベル化したところ、すべてのPLタイプのノンスパイキング介在ニューロンの細胞体がGABA陽性反応を示した。常に直径10から15μmの小さな細胞体が10個程度の集団でクラスターを形成しているなかに細胞内染色したPLタイプのノンスパイキング介在ニューロンが見いだされ、大きく3タイプの基本形態を示し、これらが同定可能であることが判明した。一方、ALタイプのノンスパイキング介在ニューロンではその約半数、特に細胞体が神経節の前側方部に位置する3rdサブタイプのものはGABA反応性を示さなかった。
(2)ノンスパイキング介在ニューロンは漸次的にその膜電位変化に応じて尾扇肢運動ニューロンを過分極する。運動ニューロンの過分極は3nA程の過分極性電流注入で逆転し、GABAの中枢内微量投与によっても同様の逆転電位がみられる過分極性応答が観察された。
(3)生理学的に抑制性出力を持つことが確認されているスパイキング局在ニューロンはGABA免疫組織化学染色によってGABA陽性反応を示さず、別の抑制性化学伝達物質を用いていることを強く示唆し、その同定が今後の課題である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nagayama,T.: "Distribution of GABA ergic prewoter nonspiking local interneurones in the terminal abdominal ganglion of the crayfish" J.Comp.Neurol.389. 139-148 (1997)

  • [文献書誌] Newland,PL.: "Monosynaptic excitation of lateral giant fibres by proprioceptive affcrents in the crayfish." J.Comp.Physiol.A.181. 103-109 (1997)

  • [文献書誌] Nagayama,T.: "Organization of exterocaptive inputs onto nonspiking local interacuroues in the crayfish terminal abdominal ganglion" J.Exp.Zool.279. 29-42 (1997)

  • [文献書誌] Nanba,H.: "Non spiking local internerrones mediate abdominal extension velated desceding control of utoped motor menrohes in the crayfish terminal abdominal ganglion" J.Comp.Physiol.A.180. 463-472 (1997)

  • [文献書誌] Nagayama.T.: "Connegant chomied and electrical synaptic inputs from proprioceptine efferents outo an identified intersegmental intesegmenron in the crayfish" J.Neurophysiol.77. 2826-2830 (1997)

  • [文献書誌] Miyata,H.: "Two types of identified asceding internerons with distinct GABA receptors in the crayfish terminal abdominal ganglion" J.Neurophysiol.77. 1213-1223 (1977)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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