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1996 年度 実績報告書

甲殻類の個体発生における心臓とその調節機構の発達に関する生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640857
研究種目

基盤研究(C)

研究機関筑波大学

研究代表者

山岸 宏  筑波大学, 生物科学系, 講師 (80092534)

研究分担者 矢沢 徹  東京都立大学, 理学部, 助手 (30106603)
キーワード甲殻類 / 心臓 / ペースメーカー / 個体発生 / 心臓調節 / フナムシ
研究概要

主として十脚類を用いた研究から、甲殻類の心臓は心臓内にある少数のニューロンからなる心臓神経節が拍動のペースメーカーとなる、神経原性心臓であることが知られている。しかしながら等脚類のフナムシの心臓ペースメーカー機構の個体発生過程における変化を調べた結果、心臓拍動が筋原性から神経原性に転換するする事が判明した。胚期および幼体初期の心臓は心筋の自発活動で拍動する筋原性であるが、幼体中期から心臓神経節が自発活動を開始し、神経筋伝達を介して心筋の活動をより早い神経節の活動に引き込むことによって心臓拍動のペースメーカーとなる。これはこれまで甲殻類で知られている神経原性とは異なったタイプの神経原性心臓といえる。このフナムシの発生過程における心臓ペースメーカーの転移にともなって、神経性や体液性の心臓調節機構がどのように変化するのかを調べた。初年度は、主として神経性調節機構の研究を行い、中枢神経系から1対の抑制性神経と2対の促進性神経が心臓を支配しているが、それらはいずれも心臓神経節および心筋の両者にシナプスして、心臓拍動を調節していることが判った。さらに中枢神経系内おいてそれらのニューロンを同定し、抑制神経伝樽物質がGABAであること、抑制神経が成長に伴って心筋から心臓神経節を支配していくことを明らかにした。また促進神経の伝達物質および促進神経調節の発生過程における変化について研究を進めている。これまでの成果を2つの論文にまとめて、専門誌に投稿中である。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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