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1997 年度 実績報告書

ポリセティによる蘚類の系統学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640903
研究機関国立科学博物館

研究代表者

樋口 正信  国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (10189772)

キーワードポリセティ / 蘚類 / 系統 / チョウチンゴケ科 / スギゴケ科 / ハリガネゴケ科 / 生殖 / 胞子体
研究概要

1.国立科学博物館所蔵の中国産の資料に基づき、スギゴケ科1種、ハリガネゴケ科1種、チョウチンゴケ科2種の計4種5サンプルについてポリセティの観察を行った。スギゴケ科ではタチゴケ属を除いてポリセティはほとんど知られていなかったが、ニワスギゴケ属の一種Pogonatum fastigiatumでポリセティが観察された。
2.チョウチンゴケ科のムツデチョウチンゴケのポリセティを解析する目的で、ガメテシウムあたりの胞子体の数、その頻度、各植物体のサイズ等を調べた。ガメテシウムとは生殖器官とその保護器官である側糸と苞葉をまとめたものをいう。その結果、ガメテシウムあたりの胞子体の数は1〜8個、一番多いものは2〜4個であった。また、胞子体の数と植物体の大きさには関係が見られなかった。さらに、長野県、岐阜県、栃木県という地理的に離れた集団で行った調査でもほぼ同様の結果が得られた。
3.シッポゴケ科のナミシッポゴケについて、ムツデチョウチンゴケと同様に調べた。ガメテシウムあたりの胞子体の数は1〜6個、一番多いものは3個で、また胞子体の数と植物体の大きさには関係が見られなかった。さらに、ポリセティの頻度は狭い範囲(約5x5m)に分散する7つの個体群間で差が見られた。
4.日本産の蘚類について文献と標本によるポリセティの調査を行った。14科42種でポリセテイが報告されており、そのうち13科がマゴケ亜綱に含まれ、さらにそのうちの10科が植物体が直立し、生殖器官を茎の頂端に形成するグループに属するものであった。残りの3科のポリセティを示す種について標本を調べたが、ポリセティを確認することが出来なかった。このことは、ポリセティはガメテシウムが茎の頂端に形成されるグループに限られる可能性がある。
5.ヒナノハイゴケ科のヒナノハイゴケでポリセティを確認した。本科からはこれまでポリセティは知られていなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 樋口正信: "中国産蘚類4種のポリセティ" 蘚苔類研究. 7(2). 53-55 (1997)

  • [文献書誌] Higuchi,M.: "Studies of polysety in Pseudobryum speciosum (Mniaceae,Musci)" Bull.Natn.Sci.Mus.,Tokyo,Ser.B.23 (4). 151-157 (1997)

  • [文献書誌] Higuchi,M.: "Studies of polysety in Dicranum polysetum (Dicranaceae,Musci)" Ann.Tsukuba Bot.Gard.16. 129-133 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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