研究課題/領域番号 |
08640904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)日本きのこセンター |
研究代表者 |
長谷部 公三郎 財団法人日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 研究室長 (10124330)
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研究分担者 |
常田 昭彦 財団法人日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 研究部長 (30142087)
霜村 典宏 財団法人日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 研究員 (00250093)
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キーワード | シイタケ / 地理的系統 / 交雑F_1 / 遺伝学 / 分類学 / 形態学 |
研究概要 |
シイタケの地理的分布を異にする3集団(日本、パプアニューギニアおよびニュージーランド)は、子実体の形態的特製、アイソザイムパターンおよびミトコンドリアDNAのRFLPなどにおいて互いに異なることが認められており、現在、これらをそれぞれ異なる種として扱うべきか否か論議されている。本研究は上記3集団間の交雑F_1を形態学的・遺伝学的に分析することによって、本菌の分類に関する問題解決の一助とすることを目的としており、本年度は以下の研究を実施した。 まず、地理的分布を異にし、形態分類の基準となる特徴をよく表しているシイタケ野生株(パプアニューギニア産2菌株、ニュージーランド産2菌株)および交雑株(日本産)を選定した。次に、上記の野生株(二核菌糸)を用いてプロトプラストを作製し、再生したコロニーの中からそれぞれの二核菌糸を構成する一核菌糸(8種類)を得た。これらの一核菌糸および日本産交雑株を構成する2種類の一核菌糸を用いて、産地を異にする菌株間の総当たり交雑を行い、32株の地理的系統間の交雑F_1(二核菌糸)を作製した。これらの交雑F_1のうちニュージーランド産×日本産の3株およびニュージーランド産×パプアニューギニア産の2株は菌糸伸長が遅く、種菌の作製に至らなかったため本年度の原木試験から除外した。これら5株を除く27株の交雑F_1および先に選抜した5菌株(親株)を1株につき10本ずつのコナラ原木に接種、現在、ほだ木を養成している。また、交雑F_1の次代形成能力を分析するために、ブナ木粉培地を用いて交雑F_1を培養し、発生した子実体から分離した担子胞子の発芽率、発芽後のコロニー形成率および交雑F_1、F_2世代の菌糸伸長度などを検定している。
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