研究課題/領域番号 |
08640907
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
茂原 信生 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (20049208)
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研究分担者 |
国松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90252535)
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キーワード | 霊長類 / 咀嚼器官 / 口腔容量 / 硬口蓋 / 食性 / 舌 |
研究概要 |
霊長類の食性ならびに摂食様式と口腔容量や下顎骨の大きさ、あるいは口蓋の深さなどの咀嚼器官の構成要素の形態を主に計測的な手法によって介せきるする事が本研究の主な目的である。標本は、獨協医科大学標本、京都大学霊長類研究所標本を利用し、乾燥頭蓋骨の口腔容量の計測や、関連頭蓋骨項目の計測を行った。口腔容量の計測には散弾を用いた。口腔容量とは、今回は歯列の第3大臼歯の後縁を口腔容量の一端とし、前方は下顎体の内面までの量を用いた。咬耗が進んだ個体では口腔容量が小さくなる可能性があるので、上下顎歯が完全で、かつ咬耗の少ない個体を選んだ。上下顎歯を咬合させ、外方から歯科用パラフインで覆い、下顎底も同様に厚い歯科用のワックスで覆って計測した。 これらの結果から、統計ソフトを用いてデータの分析を行うとともに、観察も行い、霊長類の特異性を考察するために他の哺乳類の口腔形態も観察した。また、種内の変異を調べるために、ニホンザル(Macaca fuscata)を用いた。その結果は、口腔容量は比較的種内変異が大きいことが判明した。口腔容量は、Papio(バブーン)の様に口蓋が前方に突出していても、頭蓋の最大長と非常に高い相関を示した。このことは、前方への口蓋の突出は単純には口腔の容量を増加させるわけではなく、むしろそれを負の方向に保証するような口腔の深さの減少を伴うことを示している。葉食性の霊長類で口腔が深くなる現象も、口腔の容量という観点からは大きな意味を持たず、歯列弓の幅の減少が見られることを示している。ヒトの口腔の特性は、言語によって他の霊長類とは異なった形態を示すが、口腔は相対的に他の霊長類よりも幅が広い。
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