交付申請書の「本年度の研究実施計画」にすでに述べられている3項目について、各々の進捗状況を概略的に記述することとする。 1.日常活動動作の歩行率と消費エネルギーとの関係について屋内脱靴活動および屋内着靴活動を主とする現代の日常生活では、その歩行率(歩/分)は各々10〜20、および30〜50程度の低レベルにある。歩行率5〜50まで段階的に酸素消費量を実測したが、歩行率上昇に伴った酸素消費量増加は認められなかった。目下のところ、24時間装着メモリー付き心拍計(ハートレイトモニター)を用いて、低歩行率時の心拍数変動を観察しながら歩行率と消費エネルギーとの関係について研究を進めている。 2.個人の日常的歩行強度を評価する従来から個人の歩行活動量は歩行数や歩行時間などで表されてきたが、これでは個人変動の大きい歩行実態が正確につかめないという結果がすでに得られていた。そこで、1日平均歩行率、1日歩行数、歩行区域などについて点数化による歩行活動総合点を個人ごとに求めた。さらに、これを生活活動指数や生活活動強度と比較して検討した。 3.生活活動事象における主働筋筋電図測定日常身体活動における上肢筋活動量を明らかにするために、衣類着脱、買い物動作、清掃作業、調理操作など特に「立位」姿勢における活動項目に関して、脊柱起立筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、円回内筋、大腿四頭筋、大腿三頭筋、前脛骨筋、腓腹筋などの表面筋電図波形を測定し補助金によって購入した波形収集装置による解析を行い、積分値による筋活動量を作業ごとに比較・考察している段階にある。
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