研究概要 |
1.低歩行率活動時における歩行率と心拍数との関係 健常な女子大学生5名を対象に、歩行計測調査、活動時心拍数計測調査、生活活動調査を同時に行った。歩行計測器は株式会社ヤガミ社製アクトコーダYH-I、心拍計はハートレイトモニターバンテージXLnew(キャノントレーデイング株式会社)を用いて、同時装着によって1〜2日間連続計測を行った。心拍数に関しては、睡眠時心拍数で基準化した。メモリーデータはすべて専用解析ソフトによってPC98noteSX/T,NECを用いて解析した。全活動区域をとうして、基準化心拍数と歩行率との間には強い正の相関が得られた。このことは、歩行率が日常身体活動量評価の指標となることを示唆している。さらに、歩行率と消費熱量との関係を類推させることから、この両者の関係についてよく検討する必要があるだろう。 2.日常生活活動における筋活動量の定量化と活動強度の相対的評価 これまでに筋収縮を定性的に観察する方法として用いられて来た表面筋電図法を定量的に解析するために、補助金によって購入した波形解析装置MacLab/8eによって積分解析を行った。おもに「座位」「立位」活動時の波形を、基準波形によって相対的に表す試みを行った。基準化は自覚的最大筋力ならびにマッスルテスティングfairレベルによった。それによれば、最も弱い活動(字を書く)に対する最も強い活動(大根すりおろし)は約10倍の基準化値を示した。日常活動を筋活動量から強度分類することが可能であると考えられた。このような試みは極めて独創的であり、身体活動を定量化する一つの方法として検討するに値するだろう。
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