本研究では、結晶成長時にエネルギーを安定させるために成長最表面で起こる結晶内部と周期の異なる表面再構成構造のその場測定を行い、結晶方位や成長条件により多く存在する再構成構造を明らかにするために、以下の研究を行った。 1.現在、電子線などを用いた高真空中の観察で明らかになっている種々の再構成構造をマイクロバランスを用いたその場観察方法で定量的に明らかにする、 2.高真空中でなく、実際の結晶成長が行われる常圧付近の再構成表面を光を用いたその場測定装置で明らかにする。 その結果、常圧においてGaAs(001)GaおよびGaAs(001)As表面の再構成構造が明らかになった。具体的には、GaAs(001)Ga面においては、キャリヤ-ガスである水素が最表面のGa原子に解離吸着し、Ga-Gaダイマー構造がAs_2-Ga-HのSP2結合に変化する、また、水素分圧と水素原子の表面被覆率の関係を明らかにした。 さらに、GaAs(001)As面からのAs脱離により、常圧でも(2x4)再構成面が形成されることを定量的に初めて明らかにした。
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