研究概要 |
平成8年度は、CUAlSe_2/CuGaSe2系超格子作製の為、成長装置の立上げ及びGaAs基板上へのCuAlSe_2およびCuGaSe_2のエピタキシャル成長を行った。成長装置としては当初予定していた有機金属分子線エピタキシャル装置(MOMBE装置)以外にも、さらに良好な膜厚制御性を持ち高速反射電子線回折装置を備えた分子線エピタキシャル装置(MBE装置)が利用できるようになった。MOMBE法 CuAlSe_2/CuGaSe_2系超格子作製の為のガス制御を目的として四重極質量分析器を本研究経費により購入し、有機金属ガス導入時の成長装置中のマススペクトルの測定を行った。測定はCpCuTEP,TEGa,TIBAIの三種類のガスについて行った。それぞれのガスに特徴的な質量数の分解生成ガスが観測され、その分圧測定によりガス供給量を制御することを検討した。分圧制御によりCuAlSe_2の成長を行い、成長層を得ることができた。 MBE法 まず電子技術総合研究所よりAlAs/GaAs超格子作製に使われていたMBE装置の移設および立上げを行った。その内容を以下に示す。 1.MBE装置の設置、電気配線、およびシャッター用回転導入器等の不良部品交換、 2.Knudsen型蒸着セル(Ga,Al,Se用)のクリーニングおよびCu用セルの取り付け、 3.蒸着用ソース材料の充墳 4.MBE装置のベ-キングおよび温度調節器の調整 GaAs基板上にCuGaSe_2及びCuAlSe_2の成長を試みた。基板温度600℃、Cu源温度1080℃、Ga源温度800-900℃、Al源温度1000-1100℃、Se源温度200℃で2時間成長を試みた。両物質ともにGaAs基板上へのエピタキシャル層の成長が確認された。 今後の方針 本年度は、MOMBE、およびMBE法によりCuAlSe_2およびCuGaSe_2のエピタキシャル成長が再現性良く成長できるようになった。平成九年度はこの成果を発展させ超格子作製と評価を行う予定である。
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