研究概要 |
1.InをドープしたCd_<1-X>Zn_XTe(x>0.7)を育成し、アドミッタンススペクトロスコピーとPL測定を行った。その結果2つのタイプのアクセプターがあり、一つはA-center、いま一つはE_V+0・27eVにある。 2.超薄膜ZnSe-ZnTe超格子における電子格子相互作用強度(Huang-Rhys paramerer S)を見積もった。S1帯に対して3.5、S2帯では7.4であった。この値を用いて光吸収とPLを説明する配位座標表示を提案した。 3.Clドープの高抵抗Cd_<0.8>Zn_<0.2>Teに対してTOF法によりドリフト移動度を求めた。電子、正孔の移動度はいわゆるtrap-controlledで制限され、それぞれのトラップエネルギーはEc-0.03eVとEv+0.14eVであった。 4.ZnSe/GaAs界面準位が、基板の前処理によって1桁減少することが、I-V、C-V、DLTSの測定から分かった。最適処理によりGaAsのmidgap以下のN_<35,min>が1x10^<11>cm^<-2>eV^<-1>以下になる。 5.MEE法あるいはALE法で育成したZn(Se,Te)では1サイクルで成長する膜厚が研究者によって異なる。一つのエレメントの供給で1/4ML成長が最も高品位な結晶膜を与えることがわかった。 6.デバイス作製には必ず成長中断と再成長のプロセスが含まれる。ZnSeのMBE成長を中断し、再成長した試料のホモ界面の電気的特性を調べた。界面では約0.7eVのポテンシャル障壁が形成されることがわかった。 7.ZnSeと超薄膜ZnTeの超格子におけるS1とS2発光帯の発光スペクトルの時間分解測定を行った。両方の発光帯ともに浅い成分を含み、さらに早い成分と遅い成分に分離できた。 (1)早い成分は障壁層の長距離ポテンシャル揺乱によるものである。 (2)遅い成分は無秩序系で見られるいわゆるstretched-expnentialのように振る舞う。
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