研究課題/領域番号 |
08650024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
岩間 三郎 大同工業大学, 工学部, 教授 (00075904)
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研究分担者 |
早川 謙二 大同工業大学, 工学部, 講師 (50075909)
美浜 和弘 大同工業大学, 工学部, 教授 (50023007)
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キーワード | FGE法 / メゾスコピック粒子 / Sb超微粒子 / Ge超微粒子 / アモルファス粒子 / 結晶化過程 / 核生成頻度 |
研究概要 |
(1)アモルファスSb超微粒子の結晶化過程における粒子サイズ効果 典型的なFGE条件下(Arガス流速:5m/s,ガス圧:1.7kPa)でSbを蒸発すると、粒径40nm以下のSb超微粒子がガス中で形成され、それらはアモルファス構造をとることが特徴である。このSb超微粒子をカーボン支持膜上に補集し、真空中で所定の温度・時間で熱処理し、結晶化過程を電子顕微鏡で観察した。暗視野像を用いて、アモルファス粒子と結晶粒子を区別して粒系分布を調べると、結晶化は(1)熱処理温度、(2)熱処理時間、に加えて(3)粒子サイズにも依存することが明らかになった。結晶化率の時間依存性から求められる結晶化の速度定数は、本実験の場合に結晶核の生成頻度と見なし得る。核生成頻度は体積に比例するから、球系粒子の場合、粒径の3乗に比例して高くなる筈であるが、実験結果はそれぞれを下回るものであった。単位体積当りの結晶化率のアレニウスプロットから得れる結晶核生成の活性化エネルギーは、粒径の増大とともに増加する値となった。つまり、粒径が小さくなる程核生成頻度が高くあることを意味する。このような結果は、超微粒子の表面応力に付随するサイズ依存した静水圧が核生成に寄与することで理解される。 (2)FGE法で成長するGe超微粒子の構造評価 典型的なFGE条件下でGeを蒸発すると、一般に粒径20nm以下でアモルファス構造と正方晶との混合相から成る超微粒子が生成される。これは従来のガス中蒸発法ではダイヤモンド構造の粒子が形成され、また真空蒸着法ではアモルファス構造の膜が形成されることとは異なる特徴であった。400℃10分の熱処理によって、正方晶はダイヤモンド構造へ変態した。
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