研究課題/領域番号 |
08650034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
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研究分担者 |
新宮原 正三 広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)
高萩 隆行 広島大学, 工学部, 教授 (40271069)
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キーワード | アルミニウム選択堆積 / 水素終端シリコン表面 / 平坦化表面 / 昇温脱離法 / ステップ / テラス周期構造 |
研究概要 |
基板表面に形成された局所的な化学構造分布に起因する反応性の違いを利用して、基板表面にアルミニウムの極微細構造を形成することを試みた。まず、終端水素の構造の違いによるAlの堆積反応速度の違いを調べた。異なる水素終端構造として、微傾斜Si (111)基板を5%HF及び40%NH_4F処理した表面を用いた。NH_4F処理表面は、ステップ/テラス周期構造を有しており、結晶学的にはジハイドライド構造はステップ端にのみ存在し、それ以外はモノハイドライド構造になっているはずである。それに対し、HF処理表面はモノ-、ジ-、トリ-ハイドライドが混在した表面となっているはずである。両表面上でのAl堆積速度の温度依存性と、基板表面からの水素の熱脱離(TDS)スペクトルを比較した結果、ステップ端に存在するジ-、トリ-ハイドライドからの水素脱離挙動とAl堆積特性が非常によく一致し、低温での水素脱離量が少ないNH_4F処理表面の方がAlの堆積速度が低くなることが観察された。このことから、水素終端Si表面へのAlの堆積反応にはジ-、トリ-ハイドライド構造が必要であることが示唆された。また、両表面において堆積初期状態をAFM観察した結果、両表面共、粒状のAl核が形成されており、ジ-、トリ-ハイドライド構造の少ないNH_4F処理表面上の核密度はHF処理表面上の数十分の一程度になり、しかもAlの核成長がステップ部からの優先的に起こっていることが確認できた。
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