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1996 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡による液体表面構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08650035
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島市立大学

研究代表者

岩松 雅夫  広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (20201345)

キーワード溶媒和力 / 表面構造 / モンテカルロ・シミュレーション / 原子間力顕微鏡
研究概要

1.液体を無限長の平行なスリットに閉じ込めた場合に液体に現れる構造と、溶媒和力(Solvation Force)をモンテカルロ・シミュレーションで計算した。分子間ポテンシャルとしてLennard-Jonesの12-6ポテンシャル、基盤と液体との相互作用として9-3ポテンシャルを用いた。基盤間の距離を変えたときの液体構造の変化と溶媒和力(Solvation Force)を計算した結果は
(1)閉じ込められた液体の密度は常に振動し、形と温度変化は理論的に予想されているように動径分布関数g(r)と定性的に相関がある。また温度変化は小さい。
(2)密度の振動を反映して常に振動する溶媒和力が存在する。これに基盤間の引力、あるいは斥力を加えても振動する力は残る。
2.原子間力顕微鏡(セイコ-電子SPI3700)に溶液ホルダーを取り付け液体として分子直系約1nmのオグタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、吸着基盤としてマイカを使いフォース・カーブを測定した。空気中とは異なり液中でのフォース・カーブには細かい振動構造が現れるが、ノイズの可能性が強く溶媒和力に対応する大きな振動は観測されていない。現在短針を変えて測定を続行するとともに、フォース・カーブの統計処理を計画中である。
基盤近傍では液体が一様ではなく振動構造をもつことは重要で、ぬれや吸着、毛管凝集といった現象を解析する際に一様な密度を仮定した今までの理論では対応出来ないことが予想される。現在これらを統一的に扱える現象論も併せて構築している。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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