研究概要 |
網目状薄膜の形成の基礎となるTi下地膜上へのAl島状構造の作製について基礎的な検討をおこなった.薄膜の形成は,dcマグネトロンスパッタリング法によりおこない,Ti膜を成膜後試料を大気にさらすことなくAl膜を連続して形成した.得られた膜表面の観察は原子間力顕微鏡を用いておこなった。実験の結果, 1)Al膜堆積速度が大きすぎる場合には,島状構造が形成できない. 2)Ti下地膜が薄い場合あるいはTi下地膜表面が酸化されている場合には,島状構造が形成できない. 3)島状構造のでき方を平均粗さで評価した場合には,Al膜厚が厚くなるにつれ粗さが大きくなりあるAl膜厚で極大を示した後に再度粗さは小さくなる. ことがわかった.島状構造形成の最適値は,Ti膜厚50nmおよびAl膜厚が30nmであった.このときの10点平均粗さは,約16nmであった.1つの島のおおよその大きさは,直径200nm程度,高さ50nm程度であった. また,過飽和状態からの凝縮を利用した網目状構造の作製についても検討をおこない,ターゲットの発注等の諸準備を終えた.
|