この研究の計画段階では、超音波光変調器(AOM)によるダイナミックCGH(計算ホログラム)を考えていたが、このデバイスにより実現される光波面は干渉計測には適さないことが判明した。 干渉計測に適合する可能性のあるダイナミックCGHとして、液晶パネルを考え、これによる基礎的な実験をおこなった。但し、現在入手可能な液晶パネルは、画素ピッチが粗くまた画素数も少ないため、どの程度平面波からずれた光波面が実現できるかを検討した。 CGHを非球面光学部品のヌル干渉計測に適応する場合に問題になる諸点について研究を進め、その適応可能性を明確にすることができた。 干渉計測の測定精度を上げる方法として、縞走査法があるが、この走査を実現する電子的スタティック法として、半導体レーザ(LD)の波長変化を制御し、干渉計の二つの光路間にわずかの光路差を持たせることを考え、基礎的なデータを得、この方法の有効性を実験的に確認することができた。 この研究において、上記の成果を組み合わせることにより、広範囲の測定対象に適応できる干渉計測法を実現できる見通しを得た。
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