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1996 年度 実績報告書

超格子APDによる近赤外波長域フォトンカウンティング

研究課題

研究課題/領域番号 08650048
研究種目

基盤研究(C)

研究機関信州大学

研究代表者

斉藤 保典  信州大学, 工学部, 助教授 (40135166)

研究分担者 川原 琢也  信州大学, 工学部, 助手 (40273073)
野村 彰夫  信州大学, 工学部, 教授 (00115362)
キーワード近赤外波長 / 超格子 / アバランシェフォトダイオード / フォトンカウンティング / APD
研究概要

従来良好な動作特性が得られていなかった、波長1.5μmを中心とした近赤外波長領域におけるフォトンカウンティングの実現のための基礎研究を行っている(平成8年・9年度)。
検出素子として、雑音特性に優れた超格子構造を有するInAlAs/InAlGaAs APD素子を選んだ。近赤外波長領域では熱電子による暗電流が大きいため、液体窒素冷却装置を新たに試作した。熱伝導率(冷却効率)を高める工夫として、APD素子を液体窒素溜下部に銀漏付けした大型の銅ブロックに直接挟み込む構造を採用した。さらに光入射効率の向上と取扱の簡便さおよび実験の再現性を確保するため、APDと光ファイバーはボールレンズを介して一体化構造とされた。光源には1.5μmで発振する半導体レーザをNDフィルターで適当に減衰させて用いた。検出信号、バイアス電圧、冷却温度などはすべてマイコンにより制御・計測可能になっている。
主な実験結果として、1)液体窒素冷却時の暗電流値は10^<-9>(A)程度で温度に対して敏感である、2)冷却時には増倍率の変化が急激になる、3)ブレークダウン電圧の温度依存性は28mV/1Kで実用上問題にはならない、4)12V以下の低バイアス電圧時には10^<-9>W以下(計測器の限界)、またブレークダウン電圧付近では10^<-6>〜10^<-7>W程度の入射光電力の検出が可能、などが得られた。
検討事項として、使用した素子固有(高速光通信用)の特性に由来する、高速化のための薄膜化構造によるトンネル暗電流が大きいこと、光ファイバーとの結合効率が極端に小さいことなどが実験的に示され、次年時以降の素子開発およびシステム化に向け、具体的で貴重な指針を得ることが出来た。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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