本年度は、LiNbO_3結晶中での2光子吸収に関する実験を行った。得られた成果は次のとおりである。 1.光源にチタンサファイアレーザーを用い、ノンドープのLiNbO_3結晶にレーザー光を照射して、2光子吸収過程によって、結晶内に屈折率変化が生じることを確認した。レーザー光をパルス動作させたときと連続光動作させたときとを比較し、同じ露光量でも連続発振のときは屈折率変化が生じず、パルス発振のときにのみ屈折率変化が生じることを確認した。これにより、2光子吸収過程によって屈折率変化が生じていることを確認した。 2.2光子吸収で形成した屈折率変化の光軸方向の分布を光学顕微鏡を用いて観察し、結晶内に形成された屈折率変化が、光軸方向に拡がらず、局在化していることを確認した。この実験結果からも、2光子吸収過程によって屈折率変化が生じたことを確認できた。 3.2光子過程を利用した屈折率変化の形成を、ビットデータを多層に記録する光メモリに応用し、11層のビットデータをクロストーク無く、記録再生することに成功した。
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