難着雪氷材料としては、表面自由エネルギーの小さい撥水性の材料が良いとされ、接触角の小さい塗料等の開発が行われてきた。 我々も超撥水性の塗料を開発し、室内実験や野外実験を行って来たが、0℃以下であっても融点に近づくと、撥水性材料よりも親水性材料の方が落雪しやすいことが分かってきた。 この事実は我々の研究結果から明らかになったことであり、実験事実だけは昨年学会誌に報告した。 その詳しいメカニズムに関しては現在検討中であるが、付着している氷をセン断力で除去するときに撥水性材料に付着した氷は凍結界面でbrittleな破壊をするが、親水性材料の場合にはviscousな破壊をすることが分かった。 また、破壊に必要なセン断力は疎水性材料の方が大きいが、完全に破壊させるのに必要なエネルギーは親水性材料の方が大きいことが分かった。
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