研究概要 |
分散変動時系列データのひとつGARCH(1,1)のパラメータ推定で,推定誤差の検証を行ったところ,かなり頑健な推定を与えていることが検証された.従来,多くの時系列データに対して推定が正しく動作しないことが知られているが,このような時系列は,GARCHモデルに従っていない可能性があることが示唆される. この推定に関連して,GARCH(1,1)の無条件分布の数値計算法を提案し,シミュレーションによって初期値を選ぶ場合に必要になる収束の速度の解析的な計算を行った. 金融時系列解析で,収益率と対数収益率の間には,理論的に示唆される関係が,実データにおいても,かなりよく成立することが確認された. これに関連して,対象は全く異なるのであるが,政治学の分野での「合理的選挙理論」への結果が,副産物として得られた(これは印刷中).
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